ドローンで農薬散布——
二等・第二種認証・25kg限定変更は本当に必須なのか?
「農業ドローンで散布するのに二等技能証明は必須なのか」「令和8年4月に緩和された承認不要ルールの条件は何か」「二等だけで第二種認証機を持っていない場合はどうなるのか」「25kg以上の機体なら25kg限定変更は必須なのか」「メーカー講習には資格代替の効果があるのか」「機体認証に年次更新はあるのか」——農業ドローン導入前の判断に立ちはだかる7つの疑問を、国土交通省 国空無機第338898号(令和8年3月23日)および飛行許可・承認手続など一次情報13本ベースで整理します。あわせて第二種型式認証を取得した散布ドローンを写真・スペック・公式ページ・実勢価格付きで掲載します。
本コラムの一次情報ベース
- 国土交通省 国空無機第338898号(令和8年3月23日)農薬等空中散布 承認不要の要件(機体認証/技能証明/訓練5回以上/飛行高度4m以下等)
- 国土交通省 航空局 飛行許可・承認手続特定飛行の6区分・カテゴリーⅡ/Ⅲの分類
- 国土交通省 レベル4ポータル:技能証明一等・二等技能証明の限定変更(25kg以上/目視外/夜間)
- 国土交通省 レベル4ポータル:機体認証第二種3年更新・機体1台ごと
- 型式認証を取得している無人航空機一覧(国交省PDF)第二種型式認証機の公式一覧(Agras T25/T50 等)
- 農林水産航空・農業支援サービス協会(農水協)農薬等空中散布の飛行計画通報・登録代行の窓口
「二等は法定必須ではない、が『承認不要』は二等+認証機の組合せが前提」
令和8年4月から始まった農薬散布の承認不要ルートは、二等の技能証明と第二種以上の機体認証を両方揃えた時だけ発動する
- Q1 農業に二等は必須?法律上は必須ではない。ただし承認不要ルート(令和8年4月〜)を使うには二等以上と第二種以上の機体認証が両方必要。使わないなら包括申請で運用可(国空無機第338898号)。
- Q2 二等なし+非認証機ならDIPS2.0で包括申請(危険物輸送+物件投下+30m未満+目視外+DID等の該当項目)。飛行実績報告は現状不要、飛行日誌は必須。
- Q3 承認不要の条件①第一種または第二種機体認証機、②一等または二等技能証明保有、③農地/森林、④高さ4m以下、⑤空中散布訓練5回以上、⑥自動操縦(夜間/目視外時)、⑦立入管理措置——など多数の要件を全て同時に満たす必要あり。
- Q4 二等だけ・認証機なし承認不要ルートは使えない。包括申請ルートで運用(一般的にはこちらが現実解)。DIPSで年1回の包括申請を維持する運用形態。
- Q5 25kg以上機体飛ばすなら二等(または一等)+25kg限定変更が事実上必須(承認不要ルートでも要件ハ)。加えて令和7年10月〜第三者賠償責任保険加入義務(機体総重量25kg以上)。
- Q6 メーカー講習の効果安全運航・機体習熟・農水協への性能確認取得の前提として重要だが、国家資格・機体認証を代替しない。飛助MGは農水協認定機、Agras T25/T50・AC101はDJI/NTT系メーカー技能認定+別途二等取得が現実的な組合せ。
- Q7 年次更新の有無「年に1回の更新」は法定にはない。ただし第二種機体認証は3年で更新、技能証明も3年で更新、機体登録も3年更新。加えて農水協認定機は使用開始前の年次定期点検が農水協ルール上必須。
Q1 農業ドローンに二等は「必須」なのか——制度上の答え
結論から言うと、農薬散布に二等以上の技能証明は「法律上は必須」ではありません。技能証明を持たなくても、DIPS2.0で個別に飛行の許可・承認申請を行えば農薬散布は可能です。ただし条件により「必須になる場面」があります。
「必須ではない」の意味と3つの実務パターン
- パターンA:承認不要ルート(令和8年4月〜)を使う場合 → 一等または二等の技能証明が必須(国空無機第338898号 3.(4)ハ)
- パターンB:包括申請ルートを使う場合 → 技能証明は任意(無資格でも申請可能)
- パターンC:25kg以上機体を飛ばす場合 → 承認不要でも包括申請でも、二等以上+25kg限定変更が実質的に必須
目視外・30m未満で農薬散布する典型的な運用の場合、「二等は必須ではないが、法令緩和メリットを取るなら二等+第二種認証機が最短ルート」というのが実務のリアリティです。
「二等技能証明」が農業運用でもたらす具体的メリット
承認不要ルートの前提
令和8年4月〜の農薬散布 承認不要ルートは一等または二等の技能証明保有が要件。技能証明なしでは使えない。
包括申請の審査短縮
DIPS2.0での包括申請時、二等以上を保有していると操縦者の技能証明として審査資料が減る。10開庁日待ち期間もほぼ最短。
25kg限定変更の前提
Agras T50・NEO水稲Rush 60L等の25kg以上機体を飛ばすには、二等(または一等)+25kg限定変更の技能証明が事実上必須。
限定変更で運用範囲を拡張
二等取得後は目視外・夜間・25kg以上の限定変更を各1日/33,000円(KFJドローンスクール)で追加できる。夜間散布や広域散布の運用オプションが増える。
Q2 二等なし・非認証機で目視外+30m未満をやりたい場合の申請
「二等技能証明を持っていない、機体も第二種認証機ではない、それでも目視外飛行+30m未満で農薬散布したい」——現状もっとも多いのがこのパターンです。この場合、承認不要ルートは使えず、DIPS2.0での包括申請(カテゴリーⅡB相当)が必要になります。
包括申請の該当項目(農薬散布ドローンの典型)
農薬散布ドローンで目視外・30m未満を飛ばす場合、通常は以下の5〜6項目にチェックを入れて包括申請します。
- 危険物の輸送:農薬は「農薬取締法上の農薬」として危険物扱い
- 物件投下:散布行為=液体・粒剤の投下
- 人又は物件から30m未満:ほ場は狭いため通常該当
- 目視外飛行:GPSオート飛行を使う場合
- DID上空:ほ場が人口集中地区に隣接する場合
- 夜間飛行:早朝/夕方薄暮散布を行う場合
包括申請の実務ステップ(DIPS2.0)
- 機体登録を完了(100g以上必須/3年更新/900円)
- DIPS2.0で操縦者アカウント作成・技能情報登録
- 飛行の許可・承認申請フォームで飛行の期間「1年間」/飛行の場所「全国」(or 都道府県指定)を選択
- 該当する飛行方法にチェック(危険物輸送/物件投下/30m未満/目視外/DID)
- 飛行マニュアル(航空局標準マニュアル or 独自マニュアル)を添付
- 散布予定日の少なくとも10開庁日前までに申請(農水省ドローン申請ガイド)
包括申請の有効期限:飛行方法に変更がなければ年1回の更新で1年間の散布が可能(承認不要ルート解説(一次情報引用))。ただし飛行機体を変更する場合や、飛行方法・区域を変更する場合は更新申請が必要。
KFJドローンスクールでは、包括申請書類の作成方法から独自マニュアルの記述例まで含めて講習内でカバーしています。詳しくはKFJドローンスクールの無料WEB説明会から個別相談を承ります。
Q3 令和8年4月から始まった「承認不要ルート」の全条件
2026年(令和8年)4月1日、国土交通省 国空無機第338898号(令和8年3月23日制定)により、農薬等空中散布に係る「承認が不要となる要件」が正式に施行されました。ただし「農薬散布なら自動的に申請不要」ではなく、以下の要件を全て同時に満たすことが条件です。
承認不要となるための9つの必須要件(通達 §3 抜粋)
- (1)催しの上空以外:多数の者が集合する催しの上空以外で飛行
- (2)機体認証:第一種または第二種機体認証を受けた機体
- (3)機体総重量:夜間/目視外/30m未満は25kg未満限定(25kg以上は承認不要ルート不可)
- (4)操縦者要件:一等または二等の技能証明(種類の限定を受けた者)+25kg以上なら限定変更+空中散布訓練を5回以上実施
- (5)飛行場所・高度:農地または森林の区域内で、地表・水面・農作物上端から4m以下の空域
- (6)自動操縦:夜間・目視外の場合は自動操縦
- (7)輸送物件:農薬取締法上の登録農薬または肥料取締法上の肥料に限る
- (8)機体機能:ジオフェンス機能+フェールセーフ機能(RTH/ホバリング/自動着陸等)
- (12)立入管理措置:補助者配置または看板・コーン・フェンス等で第三者立入を制限
「飛行高度4m以下」がハードルになる理由
特に注意すべきは飛行高度4m以下という要件。ドローン散布は通常、農作物の上端から1〜4mの範囲で行うため、機種によっては通常運用と一致します。ただし、水稲成熟期など作物上端から4m以内で経路を維持するためには、機体の高度センサー精度と自動操縦の精度が問われます。
典型的な落とし穴:「二等+第二種認証機を揃えたから承認不要」と考える方が多いですが、上記9要件のうち1つでも欠けると承認不要ルートは使えません。特に空中散布訓練5回以上(水などの散布訓練を含む)や飛行マニュアル作成が抜けがちなので要注意。
承認不要ルート vs 包括申請ルートの選び分け
| 比較項目 | 承認不要ルート(令和8年4月〜) | 包括申請ルート(従来) |
|---|---|---|
| 技能証明 | 一等または二等が必須 | 任意(無資格でも可) |
| 機体認証 | 第一種または第二種が必須 | 任意(非認証機で可) |
| DIPSでの飛行許可承認申請 | × 不要 | ○ 必要(年1回更新) |
| DIPSでの飛行計画通報 | ○ 必要 | ○ 必要 |
| 飛行日誌 | ○ 必要 | ○ 必要 |
| 25kg以上機体 | × 使用不可(承認不要適用外) | ○ 可能(限定変更+保険) |
| 初期コスト | 二等取得23万円〜+機体認証費数万〜数十万 | 包括申請のみ(0円〜数万円) |
Q4 二等だけ持っている(第二種機体認証なし)場合はどうなる?
「二等技能証明は取得済みだが、機体はまだ第二種認証を取っていない」——このパターンでは承認不要ルートは使えません。承認不要ルートは要件(2)で「第一種または第二種機体認証を受けた機体」を求めるためです。
この場合の運用パターン
- DIPS2.0で包括申請(従来ルート)——年1回の更新で1年間の散布が可能
- 包括申請フォームでは、二等技能証明の情報を入力することで操縦者資格の審査が短縮される(操縦経験10時間の確認等が省略)
- ただし飛行日誌・飛行計画通報の義務は変わらず継続
第二種機体認証を追加取得するべきかの判断軸
「二等は持っているが、認証機を追加すべきか?」の判断は次の3点で決めます。
- 複数機体・広域運用で年間の申請更新コストを下げたい
- DIPS2.0のログイン・更新作業を減らしたい
- DJI Agras T25/T50を導入予定(既に型式認証取得済)
- 年間散布頻度が限定的で申請更新の負担が小さい
- 非認証機(旧型・低廉機)を継続利用したい
- 25kg以上機体を使う予定(承認不要適用外なので認証取得メリットが薄い)
Q5 25kg以上の散布ドローン——25kg限定変更と第三者賠償責任保険
Agras T50(機体重量 約39.9kg 空機)や NEO水稲Rush 60L のように機体総重量25kg以上の散布ドローンを使う場合、規制はぐっと厳しくなります。二等技能証明を持っていても、25kg以上限定変更(限定解除)を追加で受けていないと操縦できません。
25kg以上機体を飛ばすための必須要件
- 操縦者:一等または二等の技能証明+25kg以上限定変更(限定解除)——国空無機第338898号 3.(4)ハ b)
- 機体:DIPSで個別の飛行許可・承認申請(25kg以上は承認不要ルートの適用外——要件(3)で総重量25kg未満に限定)
- 第三者賠償責任保険への加入(通達 3.(9)⑰:令和7年10月1日〜)
25kg以上限定変更の受講先と費用(KFJドローンスクール)
KFJドローンスクールでは、二等取得後の追加コースとして25kg以上限定変更を用意しています。以下はKFJドローンスクール 受講コース・料金ページの一次情報です。
| コース | 受講料 | 日数 | 対象 |
|---|---|---|---|
| 二等 経験者コース | 80,000円(税込) | 1日〜 | 民間資格保有者・実務経験者 |
| 二等 初学者コース | 230,000円(税込) | 2日〜 | ドローン初学者 |
| 25kg以上限定変更 | 33,000円(税込) | 1日 | 二等技能証明保有者 |
| 目視外限定変更 | 33,000円(税込) | 1日 | 二等技能証明保有者 |
| 夜間限定変更 | 33,000円(税込) | 1日 | 二等技能証明保有者 |
※KFJドローンスクール 受講コースと料金(2026年7月時点)/KFJドローンスクールは登録講習機関 T0629001。人材開発支援助成金 最大75%減額対象コースを利用可。
25kg以上機体の運用パターン:実務としては、①機体総重量24〜25kg未満で運用(承認不要ルート可)、②25kg以上機体は包括申請+限定変更+保険加入で運用、のいずれか。NEO水稲Rush 60L(総重量約40kg超)やAgras T50(空機重量約39.9kg・満載68.5kg)を含む重量級を導入する場合、②が唯一のルートです。
「二等+25kg限定変更、うちの規模で本当に必要か」を個別相談
ほ場の面積・機体候補・散布回数から、承認不要ルート/包括申請ルートのどちらが実費で得か、25kg限定変更まで必要か、を1対1で試算します。相談は無料。
Q6 メーカー講習の位置づけ——資格を代替できるかできないか
「DJIの農業ドローン技能認定教習を受けた」「マゼックスの飛助MG講習を受けた」——このメーカー系講習には、次の3つの目的があります。
機体の安全運航習熟
メーカー機体特有の操縦系・散布装置・キャリブレーション手順・トラブルシュートを習得。これはメーカー講習でしか身につかない部分で、国家資格試験の実地でも扱われない。
販売条件のクリア
DJI Agras・マゼックス飛助等の一部メーカーでは、認定講習修了が販売条件。講習修了しないと機体を購入できないケースあり。
農水協性能確認・登録機体使用
マゼックス「飛助MG」等の農水協認定機を使う場合、農水協への性能確認申請とオペレーター登録が必要。メーカー講習が農水協教習の前段階として位置づけられる。
「国家資格の代替」にはならない理由
国土交通省の技能証明制度は国家資格であり、令和6年12月18日以降、旧民間ライセンス(DJI CAMP・JUIDA・DPA等)による特定飛行の免除はすべて廃止されました。メーカー技能認定はあくまで「機体の運航に習熟した」ことの証明であり、DIPS2.0の飛行許可・承認申請の審査時には民間資格として扱われないのが現状です。
- OK:メーカー講習を受けて機体運用に習熟+二等技能証明(国家資格)を別途取得
- NG:メーカー講習だけで承認不要ルートを使う(要件(4)ハ 一等/二等の技能証明保有が必須)
メーカー講習と国家資格の実務的な取得順序
KFJドローンスクールの受講生では、次の順で進めるパターンが多く見られます。
- DJI/マゼックス/NTT等のメーカー農業ドローン技能認定講習(1〜5日、5〜25万円程度)
- KFJドローンスクールで二等技能証明 経験者コース(1日、80,000円/KFJドローンスクール)
- 必要に応じて25kg限定変更/目視外/夜間の限定変更を追加(各1日、33,000円)
- DIPS2.0で包括申請または承認不要ルート運用開始(機体認証取得済みの場合)
Q7 「年に1回の更新」の有無——3層の更新サイクル
「二等+第二種認証機を揃えれば、年に1回の更新があるのか」——この質問は非常に多いのですが、実際は「年1回一律の更新」は存在しないのが答えです。ただし更新サイクルは複数のレイヤーに分かれています。
| 対象 | 更新頻度 | 更新内容 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 技能証明(一等・二等) | 3年ごと | 登録更新講習 → 修了審査 | レベル4ポータル 技能証明 |
| 第二種機体認証 | 3年ごと | 更新検査(1機ごと) | レベル4ポータル 機体認証 |
| 第一種機体認証 | 1年ごと | 更新検査(1機ごと) | 機体認証等 |
| 機体登録(100g以上) | 3年ごと | 登録更新(900円/機) | 登録ポータル |
| 包括申請(DIPS) | 1年ごと | 飛行方法・場所を変更しない場合の更新 | 飛行許可・承認手続 |
| 農水協認定機オペレーター登録 | 1年ごと | 使用開始前の年次定期点検+登録更新 | 農水協 |
| 飛行日誌記載 | 飛行ごと | 飛行記録/日常点検記録/点検整備記録 | 運航ルール |
「実質年1回」になる項目
- 包括申請ルートを使う場合、飛行の期間「1年間」で申請するため実質1年ごとに更新
- 農水協認定機(マゼックス飛助MG/飛助DX等)を使う場合、使用開始前の年次定期点検が農水協ルール上必須
- 第一種機体認証(レベル4対応機)は1年ごとに更新検査
つまり「年に1回の更新」は制度全体の一律ルールではなく、選んだ運用ルートと機体グレードに応じて発生する部分的な更新だと理解するのが正確です。
「車検のような法定点検」はあるのか
結論から言うと、法令上の「車検」相当は存在しません。ただし以下2点で実質的な点検義務があります。
- 第二種機体認証の更新検査(3年ごと):機体認証の更新時に登録検査機関の検査を受ける。登録検査機関一覧PDF
- 飛行前点検・日常点検・定期点検:運航ルールおよび農水協 飛行日誌記載概要PDFで規定。原則1飛行ごとに点検し飛行日誌に記録。定期点検はメーカー指定頻度に従う(通常年1〜2回)。
出典:レベル4ポータル 技能証明/機体認証/農水協
第二種型式認証を取得した散布ドローン一覧(写真・スペック・公式URL・価格)
2026年7月時点で第二種型式認証を取得した農業散布ドローンのうち、日本国内で流通している主要機体を掲載します。型式認証取得機は「同一性確認」だけで機体認証を取得でき、承認不要ルートを目指す上で最短ルートになります。写真は各メーカーの公式ページを、価格は各社リリース+実勢を基に整理しました。
掲載機体の選定基準:①国土交通省「型式認証を取得している無人航空機一覧」(令和8年時点)で第二種型式認証取得を確認、②農薬散布用途、③日本国内で正規販売中の3条件を満たすもの。価格は公式ページ/メーカーPR記事の一次情報を採用。実勢価格は代理店・オプションで変動します。
DJI Agras T25 / T25P
コンパクト設計の農業ドローン。20L散布ペイロード+粒剤散布装置対応。第二種型式認証を取得。
- 機体重量:空機約29kg(推定・機種構成による)
- 散布ペイロード:液剤20L/粒剤35L
- 認証:第二種型式認証取得(国交省一覧PDF)
- 公式ページ:ag.dji.com/jp/t25
DJI Agras T50
DJI Agras シリーズのフラッグシップ。40L液剤/50kg粒剤の大容量ペイロードで大規模散布に対応。第二種型式認証取得。
- 機体重量:空機約39.9kg(25kg以上機体)
- 散布ペイロード:液剤40L/粒剤50kg
- 認証:第二種型式認証取得(4kg〜25kg未満クラス/25kg以上機体は限定変更必須)
- 公式ページ:ag.dji.com/jp/t50
マゼックス 飛助10(Tobisuke 10)
大阪府堺市の国内メーカー・マゼックスが開発する国産農業ドローン。第二種型式認証取得。IPX4相当防水で農薬散布後の水洗い清掃対応。
- 機体重量:機種構成により変動(要仕様書)
- 散布ペイロード:液剤10L
- 認証:第二種型式認証取得+農水協認定
- 公式ページ:mazex.jp/lp
マゼックス 飛助15(Tobisuke 15)
飛助10の上位モデル。15L液剤タンクで中〜大規模ほ場に対応。国内サポート・部品供給体制が強み。
- 散布ペイロード:液剤15L
- 認証:第二種型式認証取得
- 公式ページ:mazex.jp
NTT e-Drone Technology AC101 / AC101 connect
NTTグループの国産農業ドローン。国内設計・製造で信頼性重視。第二種型式認証取得。「AC101 connect」ではみどりの食料システム戦略への対応機能を強化。
- 散布ペイロード:液剤10L(脱着式タンク)
- 認証:第二種型式認証取得
- 公式ページ:nttedt.co.jp/sch/agriculture
DJI Agras T70P(参考)
2026年発売のDJI最新フラッグシップ。70kg大容量ペイロード対応で液剤散布・粒剤散布・貨物運搬までカバー。型式認証状況は国交省一覧PDFで随時更新。
- 最大ペイロード:70kg
- 公式ページ:ag.dji.com/jp/mobile
認証機の選び方(実務観点):①ほ場面積が3ha未満なら飛助10(99.8万円)/AC101(144万円)級で十分、②5〜10ha規模かつ25kg未満で運用したいならAgras T25、③10ha超・大規模事業ならAgras T50・T70P(25kg以上、限定変更・保険必須)。国交省 型式認証取得機一覧PDFは随時更新されるので、購入前に最新一覧を確認してください。
出典:国土交通省 型式認証取得機一覧PDF/DJI Agriculture 公式/マゼックス 価格改定リリース/NTT e-Drone AC101 販売価格/農水省 農業用ドローンカタログPDF
FAQ / よくある9つの質問
Q1. 農業ドローンで農薬散布するのに、二等技能証明は必須ですか?
法律上は必須ではありません。DIPS2.0での包括申請(危険物輸送+物件投下+30m未満+目視外等)を年1回更新すれば、二等なしでも散布可能です。ただし令和8年4月から施行された「承認不要ルート」を使うには一等または二等の技能証明が必須(国空無機第338898号 3.(4)ハ)。制度メリットを取るなら二等取得が最短です。
Q2. 二等も第二種認証機もない場合、目視外+30m未満の散布はどう申請しますか?
DIPS2.0で包括申請してください。飛行の期間「1年間」、飛行の場所を指定、飛行方法に「危険物輸送」「物件投下」「30m未満」「目視外」(DIDが含まれる場合はDIDも)にチェック。散布予定日の10開庁日前までに申請、飛行マニュアル添付が必要です(農水省ドローン申請ガイド)。承認後は1年間の反復散布が可能で、更新も年1回で済みます。
Q3. 令和8年4月に施行された「承認不要ルート」は本当に申請ゼロですか?
飛行の許可・承認申請は不要ですが、DIPS2.0での飛行計画通報と飛行日誌記載は義務のままです。加えて、通達 §3 の9つの要件(機体認証・技能証明・農地限定・4m以下・訓練5回以上・自動操縦・立入管理措置・飛行マニュアル等)を全て同時に満たす必要があり、1つでも欠けると承認不要は成立しません(国空無機第338898号)。
Q4. 二等技能証明だけ持っていて、第二種認証機がない場合はどうなりますか?
承認不要ルートは使えず、DIPS2.0での包括申請ルートで運用します。ただし包括申請時に二等の情報を入力することで、審査資料が減り承認までの時間が短縮されます。認証機を追加取得すべきかは、①複数機・広域運用なら追加取得、②単機・小面積なら包括申請継続、で判断するのが実務のセオリーです。
Q5. 25kg以上の散布ドローンには、二等と25kg限定変更が絶対に必須ですか?
承認不要ルートを使う場合も、包括申請ルートを使う場合も、25kg以上機体を飛ばすなら一等または二等の技能証明+25kg以上限定変更(限定解除)が事実上必須(国空無機第338898号 3.(4)ハ b))。さらに令和7年10月〜第三者賠償責任保険加入義務があります。25kg限定変更はKFJドローンスクールで33,000円/1日で追加取得可能です。
Q6. 二等はあるが25kg限定変更していない場合、25kg以上ドローンは操縦できますか?
操縦できません。二等技能証明の限定事項として「最大離陸重量25kg未満」の限定が付いた状態で交付されるため、25kg以上機体を飛ばすには限定変更(限定解除)の追加取得が必要です。逆に、25kg未満機体(Agras T25/飛助10/AC101等)なら追加なしで運用可能です。
Q7. メーカー講習(DJI/マゼックス/NTT)を受けたら、国家資格は要らなくなりますか?
要らなくなりません。メーカー技能認定は「機体の運航に習熟した」ことの証明であり、DIPS2.0の許可承認申請や承認不要ルートの操縦者要件を代替できないのが現状です(令和6年12月18日以降、旧民間ライセンスによる特定飛行免除は全廃)。メーカー講習は機体習熟+販売条件クリア+農水協性能確認のために必要、二等は国家資格として別途取得——という2枚体制が実務の現実解です(技能証明制度)。
Q8. 二等+第二種認証機の組合せで、年に1回の更新はありますか?
「年に1回一律の更新」は法令上存在しません。ただし包括申請ルート(1年ごと)/第一種機体認証(1年ごと)/農水協認定機の年次定期点検で実質年1回の更新が発生する場面があります。二等技能証明・第二種機体認証・機体登録はいずれも3年ごとの更新ですので、承認不要ルートで運用する場合は、3年サイクルで3つ全てを同時期に更新するのが管理コスト最小化のコツです(技能証明/機体認証)。
Q9. 第二種型式認証を取得した散布ドローンはどこで確認できますか?
国土交通省「型式認証を取得している無人航空機一覧」(PDF)が公式一覧です。2026年時点でAgras T25/T50、マゼックス飛助10/15、NTT e-Drone AC101 等が第二種型式認証を取得しています。型式認証取得機は「同一性確認」だけで機体認証を取得できるため、機体認証費用と検査期間が大幅に短縮されます(機体認証)。
受講会場から選ぶ(埼玉・大阪・名古屋)
KFJドローンスクール(国土交通省 登録講習機関 T0629001)は全国3会場で同一料金・同一カリキュラム。二等・一等・限定変更のすべてを3会場すべてで実施しています。
国家資格取得のご相談は KFJドローンスクール へ
この記事を読んだ後にできる、3つの行動をご用意しました。ご自分のタイミングに合わせてお選びください。
【出典・一次情報一覧】
本コラム記載の制度・数値・法令根拠は、2026年7月18日時点の以下一次情報を確認源としています。制度改正や料金改定の可能性があるため、実際の申請・購入前に各公式サイトで最新情報をご確認ください。
■ 国土交通省 航空局(航空法・技能証明・機体認証・農薬散布通達)
- 国空無機第338898号(令和8年3月23日制定) https://www.mlit.go.jp/common/001990796.pdf 農薬等空中散布 承認不要の9要件(機体認証・技能証明・訓練5回以上・4m以下等)の根拠。
- 型式認証を取得している無人航空機一覧 https://www.mlit.go.jp/koku/content/002008366.pdf 第二種型式認証取得機の公式一覧。
- 無人航空機の飛行許可・承認手続 https://www.mlit.go.jp/koku/koku_fr10_000042.html 特定飛行の6区分・カテゴリー分類の根拠。
- レベル4ポータル:技能証明 https://www.mlit.go.jp/koku/level4/license/ 技能証明制度・限定変更・3年更新の根拠。
- レベル4ポータル:機体認証 https://www.mlit.go.jp/koku/level4/certification/index.html 第二種3年更新・機体1台ごとの根拠。
- 機体認証等(航空局) https://www.mlit.go.jp/koku/certification.html 機体認証の更新申請要件の根拠。
- 機体認証 手数料額一覧PDF https://www.mlit.go.jp/koku/content/001572190.pdf 第一種・第二種機体認証の手数料。
- 登録検査機関一覧PDF https://www.mlit.go.jp/koku/content/001572187.pdf 機体認証検査を行う民間機関のリスト。
- 飛行計画通報・飛行日誌の作成 https://www.mlit.go.jp/koku/operation.html 通報義務・罰則30万円/10万円の根拠。
- レベル4ポータル:運航ルール https://www.mlit.go.jp/koku/level4/operation/index.html 飛行日誌3種の記載義務の根拠。
- 無人航空機登録ポータル https://www.mlit.go.jp/koku/drone/ 100g以上機体登録義務・3年更新の根拠。
■ 農林水産省・農林水産航空・農業支援サービス協会(農水協)
- 農林水産航空・農業支援サービス協会(農水協) https://www.j3a.or.jp/ 農薬等空中散布に関する情報・登録代行の窓口。
- 農水協 農薬等空中散布 飛行日誌記載概要PDF https://www.j3a.or.jp/nisshi_r050610.pdf 農水協ルールに基づく飛行日誌記載の詳細。
- 農水省 無人航空機による農薬等の空中散布に関する情報 https://www.maff.go.jp/j/syouan/syokubo/gaicyu/g_kouku_zigyo/muzinkoukuuki.html 農水省が公開する農薬散布ドローンの制度情報。
- 農水省 農業用ドローンカタログPDF https://www.maff.go.jp/j/kanbo/smart/attach/pdf/drone-189.pdf 農水省がまとめた農業用ドローンの機種・仕様情報。
■ DIPS2.0(ドローン情報基盤システム)
- DIPS2.0 申請窓口 https://www.ossportal.dips.mlit.go.jp/ 機体登録・機体認証申請・飛行計画通報のオンライン窓口。
- 指定試験機関 試験手数料一覧 https://ua-remote-pilot-exam.com/certificate/ 二等 学科8,800円/実地20,400円〜/身体検査5,200円の一次情報。
■ 農業ドローンメーカー公式(機体・価格の一次情報)
- DJI Agras T50 公式ページ https://ag.dji.com/jp/t50 40L液剤/50kg粒剤ペイロード・25kg以上機体の仕様。
- DJI Agras T25 公式ページ https://ag.dji.com/jp/t25 20L液剤・25kg未満クラス機体の仕様。
- マゼックス 飛助シリーズ 価格改定リリース(2026年6月) https://mazex.jp/blog/tobisuke_price_revision.html 飛助10:998,000円/飛助15:1,200,000円(2026年6月改定・税別)。
- NTT e-Drone Technology AC101 販売価格 https://www.tead.co.jp/%E8%BE%B2%E6%A5%AD%E7%94%A8%E3%83%89%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%B3ac101%E3%81%8C%E3%81%8A%E6%B1%82%E3%82%81%E3%82%84%E3%81%99%E3%81%8F%E3%81%AA%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%9F/ 機体本体1,440,000円(税別)/液剤散布装置込み。
■ KFJドローンスクール
- 運営会社/インストラクター https://droneschool.kofuji.co.jp/ コフジ物流株式会社/登録講習機関 T0629001。
- 受講コースと料金 https://droneschool.kofuji.co.jp/courses-price/ 二等経験者80,000円・初学者230,000円・25kg限定変更33,000円の一次情報。
